節分といえば、豆まきに恵方巻を思い浮かべる事が多いと思いますが、ヒイラギの枝にイワシの頭を刺した「柊鰯(ひいらぎいわし)」と呼ばれる飾りを飾る風習も古くは平安時代から行われていたようです。ヒイラギは悪霊を寄せ付けないとされ、そのトゲトゲした葉は鬼の目を刺してくれるのだとか。またイワシは、焼いたときの臭いで鬼を遠ざけるとも、または臭いで鬼をおびき寄せてヒイラギで刺す為とも言われています。ヒイラギとイワシの頭に、更に豆柄(まめがら。種子を取り去った大豆の枝。)を加える地域もあるようです。
今年の恵方は、南南東。ちなみに恵方は六十干支によって定まっているので、辛丑(かのと・うし)に当たる2021年は、丙の方角(165度・南南東やや南)となるそうです。今年の節分には、恵方巻にイワシ料理を食べながら、そんな話をしてみてもいいですね。
今年の節分は、明治30年(1897)以来124年ぶりに2月3日ではなく、2月2日になります。節分は、その名の通り季節の分かれ目。立春の日の前日となるので、そこがずれると節分もずれるわけです。では、なぜずれるかというと、1年間を二十四節気に当てはめて定期的な運用をしようとすると、1年に少しずつ誤差が出てきて、ずれが生じます。その調整の為、2021年は2月3日が春分にあたるわけです。ちなみに、1984年(昭和59年)は、逆に春分の日が2月5日で節分が2月4日だったそうです。来年以降は立春の日が2月4日に戻り、節分も2月3日になりますので、お間違えのないように・・・